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2023IMG Academy Discovery Open Tennis滞在記⑴

IMG Academy滞在記⑴

Japan Sports Training佐藤政廣

2023/5


半年ぶりにIMG Academyにやってきた。自宅に戻ったような、40年前に初めて訪れた時のようなデジャブを感じた。

今回は、IMG Academy Discovery Open Tennis大会の参加に同行して、まぶしい太陽の光に満ちたテニスに打ち込むならこの環境というIMG Academyキャンパスに来た。

少しこの大会について説明しておこう。2015年にスタートしたこの大会は、将来、テニス界において活躍が期待されるジュニア選手の発掘のために開催されている。日本からは、第一回目の大会から、加古川市にあるTop Athlete Fellowshipが行う国内予選を通過した16.14.12歳以下の男女の選手が参加し続けている。毎年好成績を残し、2019年には全種目を日本チームが優勝している。今年は、コロナ禍で3年ぶりの大会が、8か国の代表選手を集めて5月1日よりスタートして週末には結果が報告される。今年のスケジュールは、午前中にレッスンがあり、午後から3セットマッチを毎日ラウンドロビン戦によって展開される。

大会の様子については報告⑵以降にお知らせするが、本報告⑴の内容は錦織圭プロのスパーリングに似たオンコートでの様子から始まる。

テニスを50年以上にわたって見てきた私を唸らせるショットの連続だ。唸らせるとは、美しさ・華麗さ・力強さ・スピード・パワーを身体にまとわせたショットの連続だ。そして、ぶれない。なぜか。私は思う。諸要素をまとわせる一球に対して、「ここに打ってほしい。このような種類を混ぜあわてほしい。といったショットを見せてくれるところにコアーなものがあるからだ。

まだまだ大会での活躍を期待したい錦織プロのテニスを見てほしい。


本大会の初日にIMG Academyは選手たちのためにバンケットを開催してくれた。招待を受けた参加国の選手たち、家族やコーチたち、Nick Bollettieriの知的レガシーであるIMG Academyのコーチたち、そして、錦織圭プロのゲストが出席したバンケットで、これからの日々の活躍をいやおうにも掻き立ててくれた。

 トーナメントディレクターの司会で、まず、関係の言葉から始まり、IMG Academyテニスのディレクターで元世界5位のジミー・アリアス氏が大会の意義と成長期にある選手の皆さんにスピーチ、続いてダブルスで元世界1位・シングルス17位のマックス・ミレニィ氏、そして、世界最高位ランキング4位の錦織圭プロが続いてのスピーチがあった。

 


三名のスピーカーの要点は、

⑴ 皆さんの年齢にあるこの時期に世界が求める正しく美しいテニスを身に付けよう。

⑵ 日々の細かな努力を積み重ねよう。チャンピオンを目指すことも夢として大切だが、自分のトップを極めるのに10年以上の積み重ねが必要で、気が付くとツアーで輝くようになっていた。錦織プロの練習を見ていて、これだとあらためて気が付いた。ハイボレーの瞬間のネット際で両手の指先からつま先までピンとした瞬間をカメラの眼のように私は張り付けた。これは、今すぐに皆さんにできるものではない。積み重ねたトレーニングや世界のツアーで得た「自然の成果」だと思う。

⑶ そして、何よりもテニスは相手がいて成り立つもの。互いの友情を育む力が、相手をリスペクトでき、その反射としてリスペクトされる。IMG Academy Discovery Open Tennisのもう一つの大きな意義がここにある。